子どもに「学校へ言わないで」と言われたとき
約束を軽く破らず、危険も放置しない。そのために、子どもと一緒に「誰へ・どこまで・どう伝えるか」を決めます
「言わないで」の後ろにある不安を聞く
学校へ伝えることを嫌がるのは、いじめを気にしていないからとは限りません。仕返し、仲間外れ、先生に信じてもらえないこと、親に心配をかけること、騒ぎが大きくなることなど、子どもなりの理由があります。
最初に「分かった。勝手に全部話す前に、何が怖いか一緒に考えたい」と伝えます。説得を急ぐより、次のような短い質問が役立ちます。
最初に伝えたい4つの言葉
- 話してくれてありがとう
打ち明けたこと自体を評価します。 - あなたのせいではない
「何かしたの?」と原因探しから始めません。 - 勝手に全部は決めない
誰へ何を伝えるか、できる限り本人と確認します。 - ただし危険なときは守るために動く
秘密を守れない条件を、脅すのではなく具体的に説明します。
文部科学省の心のケア資料は、無理に聞き出さず、子どもの話を遮ったり否定したりせずに聞くこと、分からないことは分からないと伝えることを示しています。大人がすぐ答えを出せなくても、誠実に次の行動を一緒に決められます。
まず危険度を確認する
「学校へ言うか」を考える前に、今日から数日の安全を確認します。該当するものがあれば、本人の抵抗感に配慮しつつも、動く範囲を広げます。
- 殴る、蹴る、押す、首を絞めるなどの暴力がある
- 金銭や物品を要求されている
- 裸や性的な画像、身体への接触を求められている
- 「殺す」「家に行く」などの脅しがある
- 凶器、連れ去り、集団での待ち伏せが疑われる
- 眠れない、食べられない、強い腹痛や頭痛が続く
- 自傷、「死にたい」「消えたい」などの言動がある
「明日は休む」「送り迎えをする」「一人になる時間をなくす」など、学校への正式な相談前でもできる安全策があります。登校させることより、安全に一日を終えることを優先します。
本人の同意を取りやすい伝え方
「誰にも言わない」か「全部学校へ話す」かの二択にしないことがポイントです。本人が選べる部分を増やすと、相談で自分の生活がさらに壊されるという不安を減らせます。
学校へ伝える前に一緒に決めること
- 最初に話す相手
- 伝えてよい事実と、まだ伝えたくないこと
- 相手本人へ確認する前にしてほしい安全措置
- 保護者同席、本人のみ、書面など希望する方法
- 先生から本人へ結果を伝える方法と場所
- 「チクった」と分からないよう配慮してほしい点
「絶対に誰にも言わない」と約束すると、重大な危険が分かったときに子どもとの信頼と安全の両方を守りにくくなります。「できるだけあなたと決める。ただし命や身体を守るために相談が必要なときは、先に説明する」と伝えます。
子どもに知らせず学校へ連絡した場合
危険が高く、先に動かざるを得ない場面もあります。そのときも、後から隠すのではなく、できるだけ早く次の3点を説明します。
- なぜ動く必要があると判断したか
- 誰に、どこまで伝えたか
- これから本人が選べることは何か
「約束を破った」ことへの怒りや失望が出ても、反論から始めません。「勝手にされたと感じたよね」と受け止めた上で、安全策と次の相談方法を改めて一緒に決めます。
避けたい対応
- 「先生に言わないなら何もできない」と突き放す
- その場で相手の保護者へ電話する
- 本人の前で怒りを爆発させる
- 一度に細部まで何度も聞き直す
- 証拠を取るために登校や接触を続けさせる
- 相談内容や相手の情報をSNSへ公開する
保護者だけでも相談できます
本人が学校への相談を受け入れられない段階でも、保護者だけで公的窓口へ「どう動けば安全か」を相談できます。法務省のこどもの人権110番は、子ども本人だけでなく、子どもに関する悩みを持つ大人も利用できます。
0120-007-110平日8時30分〜17時15分。通話無料。法務局職員または人権擁護委員が相談を受けます。受付時間や案内は変更される場合があるため、利用時に公式ページも確認してください。
確認した公的情報
公的情報の最終確認:2026年8月24日 ※子どもの安全と状態に応じ、医療・警察・専門機関へ相談してください。


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