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これは、自衛隊勤務だったBさんの借金の話です。自衛隊そのものを責める記事ではありません。安定した給料と体力がある人ほど、借金を軽く見てしまうことがある、という一つのケースです。
Bさんは、自衛隊に勤務していた。
仕事はきつい。訓練もある。自由な時間が限られる時期もある。けれど給料は毎月入る。
だから本人の中には、どこか安心感があった。
「次の給料で返せばいい」
「少しくらい使っても、また入ってくる」
「自分は働いているから大丈夫」
その楽観が、Bさんの借金を大きくしていった。
自衛隊勤務でも、借金は増える
自衛隊勤務と聞くと、安定している、規律がある、体力がある、そういう印象を持つ人は多い。
実際、毎月の収入があることは大きい。仕事も身分もはっきりしている。だから、カードやローンの審査でも「安定している人」と見られやすい。
ただし、安定した給料があることと、お金の使い方が安定していることは別の話だ。
きつい勤務や訓練の反動で、休みの日に一気に金を使う人もいる。外出、飲み、買い物、女性のいる店。普段の抑え込まれた生活の反動が、休日にまとめて出る。
Bさんの場合、その反動はキャバクラに向いた。
安定した収入は、借金を防ぐ盾にはならない。むしろ「返せるはず」という油断になることがある。
きつい仕事の反動で、休みの日に金を使う
Bさんは、普段から派手に遊んでいたわけではない。
ただ、休みになると使い方が大きくなった。
仕事のストレスがある。訓練の疲れがある。自由な時間が限られている。だから休みの日くらいは、いい思いをしたくなる。
その気持ちは分からなくもない。
でも、お金は感情に合わせて増えてくれない。
キャバクラで使う。飲みに行く。後輩や友人の前で格好をつける。少し無理をしても、その場では楽しい。仕事のしんどさも一瞬忘れられる。
問題は、その一瞬のために、翌月の給料が先に削られていくことだ。
支払いが遅れても、本人に悲壮感がない
Bさんは、支払いが遅れることがあった。
ただ、本人はそこまで深刻そうではなかった。
次で払う。給料が入れば返せる。今は連絡できないだけ。そんな感覚だった。
勤務や訓練で電話に出られないこともある。連絡が取りにくい時期もある。けれど本人の中では、「逃げている」というより「後でどうにかする」という感覚に近い。
借金がある人の全員が、暗く沈んでいるわけではない。
むしろBさんのように、体力があって、仕事もあって、どこか前向きな人ほど、危機感が遅れることがある。
Bさんの危ない考え方
- 毎月給料があるから大丈夫
- 少し遅れても次で払える
- 自分は働いているから詰まない
- 体力もあるし、なんとかなる
- 今だけ金を作れればいい
楽観主義の借金は、別の危なさがある
借金で追い込まれる人には、暗くなる人もいる。
不安で眠れない。電話が怖い。郵便物を見られない。そういうタイプだ。
一方で、Bさんのように楽観的なまま進むタイプもいる。
このタイプは、借金そのものに対して悲壮感が薄い。
「なんとかなる」
「動けば金は作れる」
「今を乗り切ればいい」
そう考えやすい。
楽観的なのは悪いことではない。行動力があるのも悪いことではない。
ただ、借金に対してだけは、その行動力が危ない方向に向くことがある。
無理な借入れをする。危ない相手から借りる。人に嘘をつく。会社や周囲に迷惑がかかる行動を取る。最悪の場合、犯罪に近い金策へ動いてしまう人もいる。
落ち込む人だけが危ないのではない。
「自分ならどうにかできる」と思いすぎる人も危ない。
闇金まで借りる前に、止まる場所があった
Bさんは、最終的に闇金にも手を出していた。
そこまで行く前に、止まる場所はいくつもあった。
キャバクラに使う前。カードの支払いが遅れた時。給料日まで金が足りなくなった時。普通の借入れで足りなくなった時。
どこかで一度、現実を見る必要があった。
でもBさんは、止まるより先に「作る」ことを考えた。
金を作ればいい。次で払えばいい。自分ならなんとかなる。
その考え方が、危ない相手に近づく理由になる。
借金で本当に危ないのは、金がないことより、間違った金策に動くことだ。
行動力があるなら、正しい方向に使う
Bさんのようなタイプは、行動力がある。
体力もある。動ける。人に会える。仕事にも行ける。だから、正しい方向に動けば立て直しも早い。
問題は、その行動力を「危ない金策」に使ってしまうことだ。
金を借りる相手を増やす。支払いを先送りする。嘘でその場を抜ける。危ない相手から借りる。
それでは、動けば動くほど状況が悪くなる。
本当に必要なのは、金を作ることだけではない。
支払いを整理すること。使い道を止めること。誰にいくら払っているかを見ること。危ない借入れをこれ以上増やさないこと。
楽観的な人ほど、現実を見る時間を意識して作った方がいい。
まとめ
Bさんの借金は、収入がないから増えたわけではない。
安定した給料があった。体力もあった。働く場所もあった。
それでも借金は増えた。
理由は、支払いを軽く見たこと。休みの日の反動で金を使いすぎたこと。そして「なんとかなる」と思いすぎたことだった。
楽観的なのは悪いことではない。
でも、借金に対してだけは「なんとかなる」が一番危ない。
行動力がある人ほど、間違った方向にも早く進んでしまう。
だからこそ、危ない金策に動く前に、支払いを止める方法ではなく、生活を立て直す方法を考えた方がいい。
次回予告
次回は、浪費とストレス発散の借金について見る。
高い買い物をしているつもりはない。けれど、疲れた日ほど小さな支出が増えていく。
Cさんの場合、借金の入口は「自分へのご褒美」だった。
なぜ「安定した給料」でも借金は増えるのか
Bさんは自衛隊勤務。毎月決まった給料があり、住居費も食費も抑えられる環境だった。それでも借金は増えた。理由は単純で、借金は収入の問題ではなく、収支の構造の問題だからだ。
- 収入が安定していると、審査が通りやすく借りられる枠が大きい
- 「来月も給料が入るから」という安心感が、返済の先送りを正当化する
- 閉じた人間関係の中での付き合い・見栄の支出は断りにくい
「安定収入=借金と無縁」ではなく、むしろ安定収入は借金を膨らませる燃料になり得る。ここを誤解していると、Bさんと同じ道をたどる。
闇金に手を出すとどうなるか【法律の話】
Bさんが最後に頼ったのは闇金だった。ここは感情論ではなく、法律の数字で理解してほしい。
- 正規の貸金業者の上限金利は年15〜20%(利息制限法)
- 年20%を超える貸付は出資法違反で刑事罰の対象
- いわゆる「トイチ」(10日で1割)は単利換算でも年365%。正規上限の約20倍
さらに重要なのは、年109.5%を超える貸付契約はそもそも無効(ヤミ金融対策法)とされていること。過去の最高裁判例でも、闇金への返済義務を否定する判断が示されている。つまり法律上、闇金の「借金」はまともな借金ですらない。
闇金に関わってしまったら
ひとりで返そうとしないこと。取り立てが違法である以上、対抗手段は必ずある。
・警察相談専用電話 #9110(緊急時は110)
・法テラス:闇金対応の弁護士・司法書士の案内
・日本貸金業協会:貸金業相談・紛争解決センター
弁護士名で受任通知が届くと、闇金の多くは取り立てを止めます。
Bさんのケースを他人事にしないために
闇金に行き着く人の多くは、最初から闇金に行ったわけではない。カードのリボ→消費者金融→枠が埋まる→闇金、という段階を踏んで沈んでいく。だから対策は「早い段階で構造を直すこと」に尽きる。
残高の把握とリボの仕組みはカード社会の記事、見栄消費の断ち方はAさんのケースで書いた。返済原資づくりには固定費の見直しが最短ルートだ。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の状況については弁護士・司法書士など専門家に相談してください。


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